シニアフィットネス研究所

アクセスカウンタ

zoom RSS またまた…脂質?!

<<   作成日時 : 2010/05/24 14:51   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 6

相変わらず、脂質悪玉論がばっこしているようです(笑)。

試してガッテン…。

モンチさんから、お題をいただきました。

エビデンスが間違っているのではなく、ある方向に誘導する番組作りに危うさを感じます。

番組のサブタイトルです。
「AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる/ためしてガッテン(NHK)5月12日

このフレーズ自体は、間違いではありません。

しかし、番組では、この事実にデバイスをかけて、脂質過多が諸悪の根源であるという方向に導いているように感じます。

マスコミの報道そのものが、ある方向、ある思想への扇動が宿命なのだと考えれば、それを悪いと決めつける訳にはいきませんが、こと、糖尿病に関して言えば、間違った扇動は「悪」以外のなにものでもありません。

まずは、確かなことを確認しましょう。

運動、即ち、筋収縮によって、AMPキナーゼが活性化します。
AMPキナーゼは、糖トランスポーターであるGLUT4を、細胞表面へと誘導します。

その結果、血糖は筋に取り込まれ、血糖値は下がるのです。

この機序は、インスリンによる取り込みとは、全く別のものですので、インスリン抵抗性のある方でも、1型糖尿病の方でも、運動により、血糖値は下がります。

まさに、運動は、インスリンに匹敵するといえるのです。

1型、2型にかかわらず、インスリンを投与している方は、運動量とインスリン量の関係を把握し、低血糖のリスクに配慮する必要もあります。

さて、≪自転車こぎ3分の運動を一日10回≫で、≪運動後、一日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなった≫、また≪わずか3分の運動で、血糖値や中性脂肪を下げることができる≫ということです…。

勿論、運動は良いことです。

たとえ3分であっても、その積み重ねには意味があります。

しかし、≪運動後、一日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなった≫とも、≪わずか3分の運動で、血糖値や中性脂肪を下げることができる≫とも、いえないでしょう。

まず、血糖値ですが、どなたか、3分の運動で、血糖値が下がった方、いらっしゃいますか?

私は、血糖値が下がるために必要なのは、筋収縮の継続時間だと考えています。
おそらく、GLUT4が表層に上がってくるのに、数分かかるのではないかと思います。

そこから、糖取り込みを開始するのですから、実際に血糖値が下がるのは、少なくても10分から15分以降ではないかと思います。

経験的に、そう思います。

1時間、2時間と、筋収縮を継続すれば、血糖値はグングン下がりますよね(笑)。

一方、中性脂肪ではなく、脂肪酸濃度は3分でも下がると思います。
運動によって、すぐに消費されるからです。

脂質を摂取した場合、脂質のほとんどが脂肪酸の形をとっています。

中性脂肪は、直近の食事の影響を受けています。

また、中性脂肪は、グリセロールに脂肪酸がくっついた形になった脂質の保存形ですので、脂質摂取=中性脂肪摂取ではありません。

中性脂肪も3分運動で下がるのなら、皆さん、血液検査前に3分間、速めのウォーキングでTG値を下げようではありませんか(笑)。

中性脂肪は、そのままでは、エネルギー源としては使えないのです。

体脂肪中の中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されてから、酸化機構でエネルギー源であるATPの生成に使われます。

ただし、まず使われるのは、【血液中の】脂肪酸です。

3分では、体脂肪の分解には間に合いません。

血液中には、いつでも脂肪酸が流通しており、まずは、この脂肪酸が筋細胞(遅筋)のミトコンドリアに取り込まれ、使われます。

血液中の脂肪酸は、その他、細胞膜の原材料として使われ、ビタミンの融解に使われ、体の調整機能のために使われ、絶えず消費される一方、体脂肪も、絶えず(少しづつですが…)分解され、血液中に還元されています。

≪わずか3分の運動≫で、【血液中の】中性脂肪濃度が下がる⇒≪実は、たった3日間、高脂肪食が続くと、筋肉に脂肪がたまって糖尿病予備軍と同じ状態になっています≫…ここが、見事な誘導です。

3分運動で血液中の中性脂肪濃度が下がる(脂肪酸じゃないかと思いますが…)ということから、いかにもありそうなことだと、錯覚してしまいますよね。
「3」とうい数字から、≪たった3日≫と誘導しています。

ただし、この件に関しては、自分で実験してみた訳ではありません。
もしも、3分で血糖値は無理としても、TG値が下がるのなら、それはそれで歓迎したいと思います。

それでも、3分で…、3日で…は信用できません。

まず、筋細胞と脂肪細胞は別物であることを理解してください。

筋細胞が脂肪細胞に変化することはありません。
その逆もありません。

また、脂肪細胞も筋細胞も、成長が止まってからは、細胞量はほぼ一定となり、増えることはないのです。

肥大することはあっても、増えることはないのです。

勿論、【筋組織】中には、脂肪細胞と筋細胞があります。

だからといって、摂取した脂質が、【筋組織】に特定して【筋組織】中の脂肪細胞に取り込まれるという保証は、ないのです。

反対に、どこの脂肪細胞から優先的に使われるのかも、分かっていません。

例えば、運動すれば、優先的に筋組織内の細胞脂肪に蓄えられている中性脂肪が分解されるのならば、部分痩せが可能になります。

主動筋の周辺が、ある程度使われているかも知れないという推論はありますが、部分痩せが現実的でない事から、それは限定的なことだと思います。

この意味では、≪運動後、一日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなった≫と、これも、どうやって証明するのか分かりません。

上記のように、血液中の脂肪酸は、常に、消費されています。

どこにどのような比率で使われるかは、分かっていません。

脂質は、重要な栄養素です。
体内で合成することができず、食品から摂取する必要がある、「必須」のものがあります。

必要以上の低脂質食は、明らかに問題があると思います。

同様に、タンパク質にも、「必須」のものがあります。

糖質には、「必須」のものはありません。

筋に取り込まれなかった余剰の糖質は、中性脂肪として内臓脂肪や体脂肪に蓄えられます。

また、血液中の余剰の脂肪酸は、再びグリセロールとくっついて、中性脂肪に戻されるということも事実です。

高脂肪食で、高糖質、さらに運動不足が最悪であることは、想像に難くありませんね。

我々糖尿人にとっては、糖質の管理は必須のもにとなります。

必然的に低糖質にならざるを得ません。

そうなると、残りの栄養素である脂質とタンパク質の比率が高まります。

【血液中の脂肪酸を、体脂肪や内臓脂肪に戻すことがないように、3分運動のような軽めの細切れ運動で、こまめに消費してしまいましょう】

これが、正しい結論ではないでしょうか。
これならば、3分運動に、効果も意味もあることが分かります。

筋肥大も肥満も、一日(3日)にして成らず。

同様に、筋萎縮や減量も、一日(3日)にして成らず…です。







テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
糖尿病単独でもハイリスクと認識する
糖尿病患者では,厳格な脂質管理が必要ということです↓
http://www.lifescience.jp/ebm/cms/ms/no.4/no.4_p2_13.pdf
他にも沢山報告されています。検索で確認してくださいませ。
モンチ
2010/05/26 08:19
モンチさん、おはようございます。

モンチさんも、言葉のすり替えですか(笑)?!。

仰る通り、≪厳格な脂質管理≫は必要でしょう。

ただし、これは、必ずしも脂質「摂取管理」ではありません。

LDLコレステロール値の管理ということです。

食品に含まれるコレステロールは、たまごや乳製品など、およそ脂質をイメージできない食品にも多く含まれていますよね。

以前、高糖質、低脂質、低タンパクの低カロリーな食事だった頃、LDLもTGも、何故か高かったです。

糖尿の薬だけでなく、コレステロールの薬も飲んでました。

現在、低糖質、高脂質、高タンパクですが、LDLもTGも問題ありません。

勿論、薬は一切飲んでいません。

脂質には、必須のものがあります。

その意味では、私は、低脂質の食事こそ、問題があると考えています。

勿論、多くの方が、タンパク質も不足していると思います。

最近では、コレステロールは、少し高めの方が長生きする…とも言われていますよ。

また、LDLと心疾患との関係も、実は明確でないとも言われています。

脂質に関する曲解は、製薬会社の思惑もあるのではないでしょうか…。

我々は、踊らされること無く、自分たちの体と対話していきたいですよね。
sho
2010/05/26 09:28
shoさん おはようございます。
ちょっと話はそれますが、
よく、「糖尿病患者はハイリスク」
という言葉が出てきます。それは、
「高血糖状態が続いている人」をさすのか、
あるいは
「β細胞が疲弊している人」をさすのか
どちらなのかよく考えずに書いてある文言が非常に気になりますよね。
「糖尿病患者には厳格な脂質管理が必要」と言うのは、まあ、その通りですが、言ってる方も深く考えずに言っているのでしょうね。
この辺の感覚が医療界をはじめ、社会的に変わっていかないと、「糖尿病にかかると保険に入れない」とか、「その結果銀行から融資が受けられない」といったような社会的な不利益が今後も続くのではないかと個人的には感じています。
おやしらず
2010/05/26 10:10
こんにちはー。
運動で血糖値が下がるのは、けっこう時間が経ってからという実感があります。
ヨガ2時間を夜クラスで行うと、翌日の夜くらいまでインスリンの効きがよかったり低血糖を起こしやすいので、運動効果が続いているなーって思います。

3分運動だとどうなのでしょうね?
下がってるのか確認してるのはいつなんでしょう。
もしかしたら3分なりに、ジミに下がっていたりはしないのでしょうか??

「中性脂肪は、炭水化物で上がるんですよ」とM先生に聞きました。
脂肪っていうから油脂の摂取で上がる気がしますよね。
カッパ
2010/05/26 11:53
おやしらずさん、こんにちは。

仰る通りですね。

なるほど…と思います。

私自身、以前は、高血糖状態が続いている⇒ハイリスク+合併症への配慮なし…でしたが、今は、β細胞の疲弊⇒自己管理⇒リスクの低減+合併症への監視強化…となっています。

糖尿病は完治していませんし、糖尿病であることに間違いはありませんが、状況は180度違います。

全く、糖尿病というだけで被る不利益は、「差別」ではないかと思うことすらありますよね。

脂質に関する議論では、やはり、製薬会社の思惑を感じます。

これは、糖尿病も一緒です。

我々はビジネスの対象でしかないのかなと、感じますよね。

多くの糖尿病の方が、薬を使わずに、運動と食事だけでコントロールしていくことが可能なのに…。

糖尿病が、社会的に正しく認識してもらえるよう願ってやみません。
sho
2010/05/26 13:00
カッパさん、こんにちは。

ヨガも、血糖降下作用が続くんですね。

GLUT4は、運動を止めても、ある程度、細胞表層に残るということですね。

あるいは、AMPキナーゼの濃度が、ある程度維持されるのかも知れません。

1型の方の報告は少ないので、貴重な情報です。
ありがとうございます。

私も、運動翌日の朝は、低めの事が多いですよ。

「絶対」でないところが、難しいところですが(笑)。

3分でどうなのかですが、筑波山トレッキングでは、15分で160から二桁まで一気に落ちています。

この場合は、3分でもある程度落ちていたかも知れませんが、測定器の誤差の範囲かなと思います。

中性脂肪…、私もM先生から、そう聞いています。

脂質といえば、どうも、中性脂肪、体脂肪、内臓脂肪、栄養素の脂質を、まぜこぜにしてしまう傾向がありますよね。

糖尿病もそうですが、脂質についても「代謝」という視点が大切だと思います。

良い悪いではないんですよね。

そうそう…、いつかAGEでお会いしましょう(笑)。

sho
2010/05/26 13:17

コメントする help

ニックネーム
本 文
またまた…脂質?! シニアフィットネス研究所/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる