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zoom RSS 糖尿病の食事療法に関する論議B

<<   作成日時 : 2009/09/26 14:00   >>

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糖質と対比をなす栄養素が、脂質だと思います。
糖質か脂質かという議論は、常に沸騰していますね。

モウんからも、脂質に関する質問をいただいています。

そこで、今回は脂質にスポットをあて、我々と脂質の関係を明らかにしたいと思います。

まず、脂質と脂肪…似たような単語ですが、混同してはいけません。

脂質は栄養素のことであり、脂肪は体内で貯蔵される物質です。

食べ物の脂質を脂肪と呼ぶこともあります。
事実、肉の脂身は、脂肪そのものですよね。

専門書等でも、脂質と脂肪という単語を、混同して使っていることもあり、このあたりも、分かりにくさや誤解の要因になっていると思います。

では、栄養素である脂質には、どのような役割があり、どのように吸収されるのでしょうか…。

小腸で吸収された脂質は、タンパク質とコレステロールでできた「袋」に包まれた形(リポタンパクコレステロール)で血液中を運ばれてきます。

血液中から取り込まれた脂質は、細胞膜の原料、体温の保護、脂溶性ビタミンなどの吸収、ホルモンなどの分泌量のコントロール等、いずれも重要な役割を担っています。

体内に蓄積されている脂肪はエネルギー源(ATPの素)です。

脂質=脂肪という誤解を、まず解きましょう。

それに対して、糖質は、まず、肝と筋にグリコーゲンとして取り込まれ、余剰分が中性脂肪に変換され、蓄積されます。

糖質は、肝と筋に蓄積される場合はグリコーゲンとして、脂肪細胞に蓄積される場合は、中性脂肪に変換されます。

肝と筋のグリコーゲン、脂肪細胞中の中性脂肪は、ともにエネルギー源となります。

それでは、直接脂肪にならないはずの脂質が、何故、肥満の原因とされるのでしょう…。

それは、消化管ポリペプチドというホルモンが関係しています。

この消化管ポリペプチドは、リポタンパクリパーゼという酵素の活性を高め、中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解しますので、エネルギーとして使い易くする働きをします。

これが、高脂質食が脂質代謝を改善するといわれる所以です。

ここで、脂肪細胞に蓄積されている中性脂肪をエネルギーに変換する機序を説明します。
これを脂質代謝といいますが、糖代謝に比べると、いささか面倒な経路が必要となります。

難しいので読み飛ばしていただいても結構ですが、エネルギー源として使われるには、脂肪酸とグリセロールに分解された後、筋に取り込まれ、酸化機構でATP生成されると覚えてください。

脂肪をエネルギーとして利用するには、まず、中性脂肪⇒脂肪酸+グリセロールに分解⇒血液を通じて脂肪酸が筋に取り込まれる⇒さらに、ミトコンドリアに取り込まれる⇒β酸化(以下、難しいので説明は省きます)⇒アセチルCoA⇒TCA回路⇒完全酸化(その過程で、ATP生成)となります。

分解に酸素を必要とする有酸素性回路ですが、これが、いわゆる、脂肪燃焼(酸化機構)です。

さて、沢山脂質を摂ると、上記の消化管ポリペプチドが中性脂肪を脂肪酸とグリセロールへの分解を促し、エネルギーとして使い易くする一方で、脂肪細胞が血液中から中性脂肪を再び取り戻すという働きも推進してしまうのです。

まさに、諸刃の剣です。

中長期的には高脂質の食事は消化管ポリペプチドの活性を高めますので、中性脂肪の再合成を活発にしてしまう可能性が高いのです。

しかし、血液中に脂肪酸の余剰が出る状態とは、即ち、運度不足ですよね。
使われずに残った脂肪酸は、再び脂肪細胞に戻されるのです。

運動が十分であれば、上記の消化管ポリペプチドの働きのうち、良い面を活かせる訳です。
特に、酸化機構を活かせる有酸素運動が有効です。

高脂質食が健康によくないというのは、運動不足を前提とした話しではないでしょうか。

持久的運動のアスリートでは、むしろ、高脂質食が脂質代謝を高め、競技パフォーマンスを上げるといわれています。

これは、運動不足による脂肪酸の余剰が出ないからでしょうね。

このように、適切な運動を前提にするならば、高脂質の食事リスクは、それほど大きくないと思います。

それに対して、高糖質食では、エネルギーの余剰がでる可能性が大きいのです。

一般的には、筋グリコーゲンを枯渇するまで使いきることは難しいことです。
また、肝に取り込まれるグリコーゲンも、大した量ではありません。

余剰分は、中性脂肪として蓄積されるということを、思い出してください。

中性脂肪の蓄積は、私も含めて、皆さん、十分でしょ(笑)。

私は、たとえ糖尿病でないとしても、エネルギー源である糖質は、運動量に見合った適正な量であるべきだと考えています。

どれ位が適正なのかということについては、個人差がありますが、我々の場合には血糖値がその目安になり、健常人では、体重や体組成の変化を一つの目安にすればいいと思います。

エネルギーが過剰であれば、体重や体組成(体脂肪率)に影響が出てきます。
この場合のエネルギーとは、摂取カロリーではなく、摂取した糖質量という意味です。

運動が十分であっても糖質量が多過ぎれば、余剰分が蓄積され、体脂肪増加、しいては体重増が考えられます。

一方、同じく運動が十分であれば、高脂質の食事であっても脂肪酸の余剰が出ませんので、直接的な体脂肪の増加リスクは少ないでしょう…。

やはり、上記のように適切な糖質摂取量を前提に、基礎代謝アップとグリコーゲン貯蔵量アップを図る筋トレと、食後2時間の血糖管理を目的にした有酸素運動の組み合わせ(クロストレーニング)こそが、高脂質食のデメリットを最低限に抑えるための秘策だと思っています。

皆さん、脂質について、どのようにお考えですか?



















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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
解説ありがとうございます。

でも give up。

sho さんの解説以前にもっと基本的なことがわかっていないんです。

食べた脂肪がどうなってしまうか? がわからないんです。

ここ2、3日で Internet を探った範囲の理解では、

小腸に届いた中性脂肪が小腸からリンパ管へ流れ込む際に、分解、再合成され、キロミクロン(カイロミクロン)という運搬船に乗っかって、静脈へ流れ込みます。

これで身体中をぐるぐると廻り、リボ蛋白リパーゼで脂肪組織や筋肉に取り込まれる(ここでも分解、再合成される)、ことになるのかと。

なので、食べた脂肪が直接脂肪になるのではないか? と思うんです。

よって、食べた脂肪(脂質?)が脂肪にならない、と言われていることが、よくわからない...

その一方で余剰の糖質も脂肪になってしまうのも理解はしているのですが...
KK
2009/09/27 00:31
モウん、おはようございます。

疑問の根っこが、よく分かりました(笑)。

この件は、本文に追記したいと思います。

私自身も、文章にしながら、頭を整理する良い機会をいただいています。

ブログを読んでいただいている皆さんが、関心のあることだと思いますので、できる限り分かりやすく書くよう、頑張ります…(笑)。
sho
2009/09/27 07:57

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